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サントリーニ島のイースター

· 旅の記録

今回は、サントリーニ島でのお話。

初日からスリ集団に狙われたアテネでは警戒心を持って過ごしていたが、サントリーニ島に着いてやっと和らいだ。というのも、サントリーニ島はとても治安がよく、観光エリアには観光客しかいないし、夜遅くまで賑わっているので安心して出歩くことができるのだ。(もちろん、それでも油断はいけないが、ずっとピリピリしているのも疲れるので…)

そんなサントリーニ島で、ギリシャ正教のイースターをむかえた。

イースターはイエス・キリストが一時的に生き返ったことを祝う復活祭で、クリスマスと同じくらい重要な日だそう。

私たちはそんなことをつゆ知らず、夕食を食べた後ぷらぷらと歩いていると、どこからか歌が聞こえてきた。レストランかな?階段を上るほど、その音源に近づいていく。どうやら上のほうで流れているみたいだ。この音楽、なんというか、お経とかコーランみたいな感じ。なんだろう。

大きな通りに出ると、大勢の人だかりが出きていた。みんな教会の前で、何かを待っている様子。そう、聞こえていた歌はミサだったのだ。そういえば明日はイースターだったような…と脳裏をよぎる。でも、みんな何を待っているのだろう?

しばらくすると大きな十字架を抱えた人が出てきた。続いて牧師さんと、木製の棺桶を運ぶ4人の男性、そして最後に十字架を持ったもう一人の男性が現れた。その後ろをみんながついていく。どこまで行くのかわからないけど、ついていってみよう。初めてのイースターイブにワクワクしながら、暗い道のりを歩いていった。

まちの中心部に到着すると一行は止まり、ミサを歌い、終わったかなと思ったころ、花火が上がった。そして牧師さんたちはまた歩きはじめ、教会へ戻ったようだ。十字架などを持って練り歩くとは、日本でいうお神輿みたいだなあ。

家に帰り、貴重な体験だったね、と夫と話しながら寝ようとしたその瞬間、ものすごい爆発音が聞こえてきた。驚いてバルコニーに出ると、すぐ近くで打ち上げ花火が上がっている。それも、連発で15分間ほど。どうやら0時をまわり、イースターの幕開けだ〜!という合図だったようで、反対方向からも花火が上がり、遠くでは銃声も聞こえた。

しかし、イースターはまだはじまったばかり。

翌朝、楽しげな音楽と歌い声があちこちから聞こえてきた。外を見ると、ご近所さんたちが中庭でごはんを食べながら音楽を流し、歌ったり踊ったりしている。ときどき聞こえる銃声や爆発音には慣れなかったが、ま、お正月みたいなものだしね〜と思いつつ外出した。

夜に帰宅すると、例のご近所さんたちはまだ歌っている!え、一日中?!これにはびっくり。イースターは、なんともにぎやかなお祭りでした。