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アテネでの出会い

· 旅の記録

島々をまわり、再びアテネに戻ったある日のこと。

夕食を食べるレストランを探していたとき、一軒のお店からにぎやかな音楽が聞こえてきた。その日は日曜日だったからか、ほかのレストランでも生演奏をしているのを何度か見かけたが、ここは特に楽しそうだったので入ってみた。

すると、ピアノとギターを演奏する人たちの前で、何人かが踊っている。お客さんのようだ。マイム・マイムのように、ぐるぐる回りながらステップを踏んでいる。一人の女性に手招きされたが、入店したばかりのシャイな日本人にはその輪に入る勇気はなく、拍手をしながら見ていた。

マイム・マイム的なダンスが終わると、今度は一人ずつ踊りはじめた。特に振り付けは決まっていないようだが、みんな歌っているので有名な曲のようだ。しばらくして演奏は終わり、ダンスタイムも終了。みなさんダンスが上手で、何より楽しそう。踊っていた方たちは大家族なのかな?テーブルは3つにわかれて座っているけど…。すると、それぞれ別々に帰りはじめた。どうやら、たまたま居合わせた他人だったようで、一緒に踊ればもう友達、といった様子だ。

私たちも帰り際、踊っていた向かいのテーブルの人たちに「バイバイ」と声をかけられた。踊らなかったけれど、同じ時間を共有した仲間のような感覚がお互いにあった。ギリシャ語の挨拶「ヤサス」と言うと喜んでくれて、みんなで「ヤサス」と言い合って別れた。

ギリシャ人は踊るのが好きだと聞いていたけど、本当だったみたい。次にチャンスがあれば、一緒に踊れるといいなあ。