これまでたくさんの記事を書いてきたけれど、そのなかで一番反響があったのは、2014年にgreenz.jpで書いた西村佳哲さんの記事だ。
著名な方たちに、将来のために種まきをしていた時期について聞く企画で、同じようにこれからの人生に悩んでいる人たちに響いたようだ。
個人的には「ジャンプ」の話が印象に残っている。
”湘南に遊びに行ったとき、ある人が都心の会社に勤めていたけれど海の近くに住みたくて引っ越したと話していて。僕もその頃サーフィンをやっていたし、「だよね!」という感じで共感した。けどその瞬間に、自分が虚しいというか、相手との距離をすごく感じました。海の近くに住むことについて、同類なんかじゃ全然ないんですよ。
この人はある一線を越えたんだなと。選ぶということは、同時に何かを捨てることでもあるし。今何かをやっている人たちや、いいなと見上げる人たちには、ジャンプした日があるんだよなと改めて思いました。”
どんな人にもジャンプした瞬間があり、ただ眺めているだけでは何も実現できないという当たり前のことを強く実感したエピソードだった。
ときどき友人から「あの記事に励まされた」と言ってもらえることがあり、先日は「お年玉として友達にこの記事を送ってもらった」という意外な届き方をした人もいたようだ。4年経った今も長く読んでもらえることはとてもうれしい。
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編集・ライターの仕事をしていると、どうしても面白いネタ・新しいネタを求められる。でも私がテーマにしているソーシャル・ローカル界隈ではどのメディアにも同じ顔ぶれが登場し、もう頭打ち状態だと感じている。かと言って、まだ世に出ていないものを追うことにも疲れてきたし、何より取材対象をネタとして消費している感じに違和感がある。
そう、私は消費に飽きた。
東京の真ん中で暮らしていたときはモノも情報も消費しまくっていたけれど、だんだんとこれでいいのか?と思い、仕事の仕方も見直すようになった。
考えがまとまってきて、このHPの冒頭にある言葉も書き直すことにした。
取材して終わり、書いて終わり、ではなくて
記事が出たあとも
関わった人たちとの関係が続いていくような
そんな営みをしたい。
読んだ人にとっても、読んで終わり、ではなくて
読んだあとも
何か心に残ったり、次の一歩につながったり
そんなきっかけになれば嬉しいです。
というわけで、2019年もよろしくお願いします◎